Column 経営者・人事向けコラム

新卒採用における最大・最後の難関を乗り越える
~入社の意思を高め、入社の決意を促すために~
<最終選考~内定出し マニュアル>

内定出しの重要性

数年前であれば、企業からの内定出し=採用決定となり、内定辞退についてあまり考える必要はなかったかもしれません。しかし、現在は超売り手市場となり、複数内定を取得している学生が40%以上いるような状況となっています。特に優秀だと感じる人材であればあるほど、その他企業から内定出しが必ずあるとお考えになって頂ければと思います。

そのため、内定出しについては、単なる合格通知という意味合いではなく、「入社の意思を高め、入社の決意を促す最も重要なタイミング」と位置付けて考えて頂ければと思います。

ただ、100%辞退を防止することは難しいことですので、内定承諾率を高める最大の工夫を行い、そのうえで辞退が発生した際に備える次回以降の準備も進めていくことが大切となってきます。(次回以降の準備は、選考者の集客ということです。内定人数が確保できるまで、選考は継続しましょう)

内定承諾率を高めるための事前にご理解頂きたいこと

(1)内定出しから立場が逆転!

採用とは、企業が上、学生が下という立場ではなく、また逆に企業が下、学生が上という立場ではなく、双方がお互いを選び合う対等な関係が基本です。そのためにも、選考過程においては、企業は自社を説明し、学生は選考の場で自分をアピールすることになります。
ですが、選考過程においては、「企業が学生を選ぶ立場」になり、内定出し以降については「学生が選ぶ立場」となりますので、内定出し以降においては、「学生から選ばれる立場となる」という気持ちの切り替えが必要となってきます。

(2)学生の状況に合わせた内定出し

学生一人ひとり状況が違うことが想定できます。学生の状況を十分に把握し、その状況に応じた対応をすることが必要となってきます。どのような状況があるかを下記よりご確認ください。

【学生のパターン】
A. 入社意思を決定している
B. 入社意欲はあるが、その他企業の選考を全て受けてから決定したい
C. 入社意欲は高いものの、より魅力的に感じる企業がある
D. 入社意欲については本人も不明瞭。不安がある状態。
E. 「とりあえず内定」が欲しいだけ
F. 内定辞退を決めている

【各パターンの注意点及び対応方法】
A.内定承諾時期を明確にし、期日までに内定承諾書の提出や必要書類の提出をお願いし、正式な内定手続きを行うことで、入社する心構えを作りましょう。今後のスケジュール(内定者懇親会など)を伝えることで、学生が次に行うアクションが明確となり、より安心へと繋がります。内定承諾後、安心し放置してしまうと、不安になり他社に流れてしまう可能性があります。定期的な連絡を通して、入社まで確実につなげるようなアクションが大切です。
B.「どのような企業を選考し」「いつ」までに意思が確認できるのかを理解し、そのタイミングに合わせて、お電話で連絡し、その後は1.でのアクションを行ってください。
C.「どのような企業を選考し」「なぜ、その企業の方が魅力に感じるのか」を理解し、そのうえで、自社がその企業よりも勝てるポイントがあれば(例えば、給与、勤務地、仕事のやりがい、将来叶えたい夢が叶えられるなど)改めて伝えたうえで、ぜひ、入社を検討して欲しい旨を伝える。その後、2以降のアクションを行う。
D.まずは、何が不安なのか、しっかりと話を聞き受け止めてください。そのうえで、不安点に対する回答を正確に行ってください。その後、2以降のアクションを行う。
E.難しいパターンですが、貴社へ興味がない訳ではないはずです。内定=ゴールになっている学生もいるので、本人がどのような社会人を目指しているのかを聞いてあげましょう。また、その社会人になるためにはどのような企業が良いのか、またその企業が自社であることの説明を通して、入社意欲を高める必要があります。その後、2以降のアクションを行う。
F.ここはなかなかひっくり返すのは難しいところです。辞退の意思が強いようであれば、「いつまでに辞退するのか」を明確にすることで、次の学生確保のタイミングを逃さないようにしましょう。

(3)内定を出す際のポイント及び学生の声

1.最終選考終了後、可能な限り早いタイミングで内定出しを行う。

★学生の声

『3回目の面接が終わった時点で「内定」と伝えられた。その場でだったので、面接が終わった後に不安な気持ちにならずに済んで良かった。直接言われたほうが感動も大きいと思う。』

『事前に通知されていた通りの日程で通知されたので良かった。』
『最終面接当日の夜に電話連絡があったことで、人事の対応が迅速だと感じた。また、人事の方が合格の理由を伝えてくれたのも良かった。』
『当日の連絡は非常に嬉しいです。その企業だけを受けているわけではないので、落ちたとしても即伝えてもらえれば、縁がなかったと思い次にいけるので効率的です。顔見知りの人事の方からの電話だったのですごく嬉しかったです。』
『たった2日間で内定が出たので良かった。』
『面接から数日で素早く結果を通知していただいた点が良かったです。別の企業からは2週間以上も最終面接の結果を待たされたので、早く教えて頂いてとても好印象でした。』

<学生の声 出典元:09卒学生就職活動ふり返り調査(株式会社ジョブウェブ)>

2.内定を出す際は、「共に喜び」「必要な人材であることを伝える」ことがポイント

★学生の声

『人事の方が電話越しに、私の合格について喜んでくださっているのが分かったこと。』
 『今までの面接のフィードバックがあり、会社がこちらをどのように見ているか、内定出しのポイント等についての詳しい話があったところが良かった。内定出しの面談が、面接とは異なる楽な雰囲気で行われたことも良かった。』
 『電話がかかってきて、ドキドキしながら取ると、面接してくださった人事の方ではなく、採用選考に関して一番お世話になった方からご連絡頂きました。凄く嬉しくて、その場でフィードバックを頂くことができました。 声のトーンや、雰囲気もとてもよかったです。』
 『好意的な口調で、「いかに必要とされている人材なのか」を話していただきました。この電話で、「入社したい」という思いが一層大きくなりました。』
 『電話で直接内々定の連絡をいいただきました。その時に内定にいたった過程や面接での社員の方々の感想、また今後の予定などを伝えていただけたので入社することを明確にイメージすることができました。』
 『1次から最終面接の結果をいつも同じ社員の方が伝えてくださっていました。そのいつもの社員の方からお電話を頂き、後日本社で、直接人事部長の方と会って、握手をし、内定を頂きました。その際、人事部長から「○○さんは明るくて、さらにしっかりしているから、良かった」「ぜひ、君と一緒に働きたい」という言葉を頂いたり、握手をしたときには、涙が出そうになりました。』
 『自分がどのように評価され、何を期待して内定を出したかという説明を受けたので、とても嬉しかった。』
 『最終面接当日の夜に人事から内定の電話がかかってきた。その場で簡単にフィードバックをしてもらえたのが印象的。迷っていることを伝えると、納得いくまで就活をして良いと話してくれた。内定承諾時の人事面談では、1次面接から 最終面接までの全てを細かくフィードバックしてもらえる。最初から最後まで対応の温かさを感じた。』
 『最終面接(4次面接)で、面接官に直接内々定承諾書を手渡されました。しかも、3次面接官の手書きのコメント付きでした。私は飲料開発がしたいという話をしたのですが、面接官が「僕は、美味しいウーロン茶が飲みたいから、香りの 良いウーロン茶の商品を是非作って欲しい」といわれ、内々定承諾書を手渡されました。感激して涙がでて、ここで一生働こう!と思えた瞬間でした。』
 『社長との最終面接が終了し、社長に挨拶をして帰ろうとしたら、社長直々に内定をおっしゃっていただいた。また、その場にいた社員の方々が「おめでとう!」と言葉をかけてくださり、サプライズな感じでビックリしたが、嬉しかった。』

<学生の声 出典元:09卒学生就職活動ふり返り調査(株式会社ジョブウェブ)>

3.その場で内定承諾の返答を得ることができなかった場合の対応
最近は、「オワハラ」という造語があるように、学生に内定の承諾の時期を急ぐこと、その他企業の選考活動を無理やり終了させることに、世の中は敏感になっています。
かと言って、内定を承諾するかどうかの返答が曖昧になってしまうと、今後の内定出し、選考活動の継続の有無が決定できなくなってしまいますので、聞くポイントを明確にし、また承諾期間を予め用意するなどの対応をお願いします。
また、内定承諾をすぐにできない「理由」を明確にすることで、対応策をたてることも可能となります。

★学生の声

『「他に迷っている企業があるなら返事を待つ。」「社員と会いたかったらこちらで機会を用意する。」等言ってくれた。』
 『内定を出した後に他社の辞退を強制されなかったこと。 「うちとしては是非とも来てほしいけれど、最終的にはあなたが決めることなので。」というスタンスがとても懐の大きな会社だと思えた。』
 『「内定を出したらうちに来ますか?」のような「フィルター」は一切なかった。「君は合格ラインに達した。だから合格。あとは君次第。」という非常に単純明快かつ合理的なものだった。』

<学生の声 出典元:09卒学生就職活動ふり返り調査(株式会社ジョブウェブ)>

(4)具体的な内定出しの方法

1.お電話で最終選考の結果をお伝えする。

「先日は、最終選考へお越しいただき、ありがとうございました。最終選考の結果をお伝え致します。最終選考を合格とさせて頂きます!おめでとうございます。
●●さんの~~~~~~という点を評価させて頂きました。●●さんであれば、弊社でご活躍頂けると感じていますし、弊社で●●さんの~~~という夢が叶えられると思います。ぜひ、弊社へ入社頂き、共に働いて欲しいと思います。つきましては、一度ご来社頂き、内定証明書等お渡ししたいと思います。併せて、就業規則などもご説明させて頂く機会を頂ければと思います。
その場で内定の意思決定を求めるわけではございませんので、ご安心ください。今後のスケジュールなどもご説明させて頂きます」

2.ご来社から内定出し

改めて、評価したポイントをお伝えし、入社して欲しい意思をお伝えする。また、その際、内定証明書をお渡しし、就業規則のご説明、今後のスケジュールをお伝えください。
その後、学生の現在の気持ちをお聞きし、①~⑥のどのパターンにあてはまるかを確認してください。
「弊社としてはぜひ、入社して欲しいという気持ちがあるので、現状についてお聞かせ頂きたいと思っています。無理に入社を決めて欲しいということではなく、今後の内定承諾時期についてなどのスケジュールを一緒に考えたいという気持ちだということをご理解ください」というコメントで安心感を与え、正確な情報を引き出して欲しいと思います。
① 入社意思を決定している
② 入社意欲はあるが、その他企業の選考を全て受けてから決定したい
③ 入社意欲は高いものの、より魅力的に感じる企業がある
④ 入社意欲については本人も不明瞭。不安がある状態。
⑤ 「とりあえず内定」が欲しいだけ
⑥ 内定辞退を決めている

【ポイント】
① の場合
内定承諾時期を明確(2週間程度)にし、期日までに内定承諾書の提出や必要書類の提出をお願いし、正式な内定手続きを行うことで、入社する心構えを作りましょう。今後のスケジュール(内定者懇親会など)を伝えることで、学生が次に行うアクションが明確となり、より安心へと繋がります。
② ~④の場合
1)内定承諾をすぐにできない理由を明確にする。

【良くある理由】
・その他企業の選考活動を継続したいため。
その際、自社の優先順位を確認してください。第一志望の場合でも、選考を継続するケースもあります。
・知りたい情報を聞けていない。
 内定を取得するまでは、企業に対して聞きにくい内容もあり、その点が解消されていないことで、内定承諾ができないということがあります。そのようなケースであれば、必要情報をお伝えください。
・漠然とした不安
 不安の内容をしっかりと聞き、解消できることは解消し、悩み相談のようになった場合は、相談に乗っていただければと思います。
・ご家族など周囲の方の同意が得られていない。就職先を決める際、自分自身だけでなく、ご家族の意見や恋人の意見も大きく左右されます。一部企業では、親向けの説明などをする場合もあります。

2)内定の承諾決定希望時期についてはいつ頃になるのか?を確認する。
3)なぜ、その時期になるのか?(どこかの企業の選考結果待ちなのであれば、その企業の内定出し時期などの選考状況を確認)を確認する。
4)内定承諾決定時期が明確に学生から出てこない場合、いつまでであれば、待つことが可能かどうかを事前に検討する。また、内定承諾の決定時期が明確であっても、あまりにも先の予定の場合、こちらから期限を指定してください。

皆様の会社でお役に立つ内容であれば幸いです。
当社ムツビエージェントでは、最終選考から内定出しにおいての、より詳細なポイントも含めた新卒採用のコンサルティングサービスをご提供しておりますが、現在は定員に達しているため新規のご依頼はお断りさせて頂いております。
中途採用に関しては常時相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

※当社では徳島県での正社員採用に特化したサービスを行っております。徳島県以外での採用に関しては基本的にお断りをさせて頂いておりますので、ご了承ください。

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