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ワーク・ファミリー・バランスを考慮し、採用力を向上させる。

仕事と家庭の両立に関して、ワーク・ファミリー・バランスという言葉が、生まれています。

「家庭と仕事の両立をしたい」と考えている方が増えてきていますが、人によって仕事と家庭のウェイトが違い、また会社に期待する役割も違います。

共働きが一般的になってくる中、企業が人材を採用するためにも、個々のワーク・ファミリー・バランスに配慮することが求められるようになってきました。仕事と家庭とのバランスのとり方として、3つのスタイルに大別されています。

A:独身の時と同じように仕事に専念したい。会社からは、目標を達成できるようにサポートしてほしい。

B:上司や同僚とお互いの家庭の都合を配慮しあって仕事に取り組みたい。会社には、役割分担の調整をしてほしい。


C:仕事にかける時間や量を減らしたい。会社からは達成可能なレベルに目標を制限してほしい。

正社員の総合職を採用されている企業は、多くの男性に対して、家庭を持つことで働き方を変えるイメージを持つ方は少ないのではないかと思います。
配偶者が100%に近い形で、不満なく家庭のことを行ってくれる場合は、会社は特段の配慮は必要ないかもしれません。
とはいえ、まったく家庭のことをしなくても良いということはなくなってきたのではないでしょうか。

また、女性の場合は、「マミートラック」という言葉もあり、子どもを持つ女性が、仕事と子育ての両立はできるものの、昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースを指し、現代の問題の一つになっています。
出産前はバリバリと働いてきた人にとってはキャリア形成が見えづらく、転職を考え出してしまうこともあるようです。

希望する「ワーク・ファミリー・バランス」は、社員一人ひとりの考え方、家庭での事情によっても違い、また、状況に応じて変化していくものだと思います。

例えば、女性であれば妊娠や出産で、働く時間を制限したいと思う方もいる一方、夫が無職になったため、妻が主たる家計の生計者であるケースもあります。また、バリバリと働いていた男性でも、妻が大きな病気にかかってしまい、家庭の大半の役割をこなさなくてはならないということもあるでしょう。

人手不足が続く中、「家庭への時間分配を行わず、仕事のみに専念できる人材」のみの雇用を続けることが難しくなってきています。

人事は、個人面談を通して、社員一人ひとりの事情や状況、希望などを把握することによって、適切なサポートができるようになります。大変なことかもしれませんが、スキルを持つ人材や良い人間関係を社内で構築していた人材の離職を低減する予防策が、採用難の時代には必要になってくると感じます。

企業ができる「ワーク・ファミリー・バランス」への対応策をまとめてみましたので、ご参考いただければと思います。

システムでのサポート
・在宅ワークができる環境整備を行う
・社内の情報をシステムで共有する
・会議などに出席できなくとも、データや録画で情報が共有される
・TV会議システムの活用で、出張などの移動時間の削減を行う

制度でサポート
・直行直帰を認め、移動時間を減らす
・男性の育休取得を推進する
・フレックスタイム制の導入する

企業文化を変化させる
・休日の参加が必要なイベントなどを減らす(なくす)
・業務時間外での飲み会や交流などでの人間関係構築を仕事に影響させない
・性別による役割分担を行わない
・営業時間内の時間帯に会議を行う

まだまだ取り組みはあると思いますので、新しい時代に向けた自社にあった制度の構築に挑戦してみてください。

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