Column 経営者・人事向けコラム
市場の動向や
今後の採用活動に役立つ
情報などをお届けします。

2021年も8割超の企業が採用意欲衰えず。採用活動に備えが必要です。

徳島で正社員の採用活動を支援するムツビエージェント(株)の代表取締役 中西昌子です。
コロナ禍において「人材の採用がしやすくなったのでは?」という声を良く頂きます。

以前のコラムでもコロナ禍で「ニーズが高まる職種」「地方で採用しやすくなる職種」でも解説をさせていただきましたが、
業種・職種によっての採用の難易度が大きく違っています。

また、コロナ感染拡大は続くものの、2021年の企業の採用意欲は高く、2021年も採用を予定する企業は、備えが必要になってくるようです。

それでは、データをもとに解説を進めていきます。

2020年12月15にリリースされたエン・ジャパン株式会社が運営する『engage(エンゲージ)』上で、「2021年の採用活動」に関するアンケートを実施。1,013社から回答を得たデータを引用。
≫ https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/24796.html

86%の企業が採用予定ありと回答。採用予定数を増やす企業もうち26%となる。

2021年に採用予定があると回答した企業が86%。
その中でも、採用予定が増えると回答した企業が26%、変わらないと回答した企業が45%。
「採用予定人数が増える・変わらない」が71%となり、「減る・分からない」の28%を大きく上回ります。

増えると回答した企業が多かった業種としては、金融・保険、コンサルティング、運輸・交通・物流・倉庫となりました。減ると回答した企業が多かった業種としては、商社、マスコミ・広告・デザインとなります。

離職・人手不足の課題は継続する。

採用を予定する理由の1位は、「予期せぬ退職・欠員に備えるため(34%)」となりました。
雇用の流動が進み、一定数の離職は日常化し、常に人材の採用が必要な状況になっていることがうかがえます。私たちも多くの企業様に、辞めない人材の採用がしたいとのご要望も頂きますが、離職しない人材の見極めが難しいのはどの企業も同じようです。離職のリスクを念頭に置きながら、離職を前提とした採用計画を予定することも大切かもしれません。

また、「2020年、人材確保がうまくいかなかった(29%)」が2位に、「年齢構成のバランスが悪い(23%)」が3位となりました。
この数年人手不足が続き、特に若手~30代の人員不足の課題を抱える企業が多いようです。元々の人手不足に加えて、コロナ禍においても採用活動がストップしたことによる人手不足が続いているようです。その他、「休職(産休・育休など)による欠員」も9%となり、女性が妊娠・出産後も働き続けることができる会社が増えてきているようです。女性が多い職場になればなるほど、常時欠員が出ることになり、欠員補充の人材採用も計画的に行うことが求められるようになってきています。

中途採用活動を行うことについては、非常事態ではなくなっている企業が多いようです。

事業拡大や新規事業拡大などの攻めの採用活動を行う企業も。

そして、「新規事業の立ち上げ、新規部門開設(23%)」も3位、新型コロナの影響による既存事業拡大(7%)」と、攻めの姿勢や業績が好調である企業も多数あることがうかがえます。
ニュースを見ると経済環境の悪化や倒産・リストラなどマイナス面が注目されがちですが、業績好調な企業も多数あるようです。
このご時世、景気の良い話はしにくいですよね。

私も徳島県内外の企業様と景況感についてお話をお聞かせいただきますが、採用を積極的に行うBtoBの取引を行う企業様は売り上げについて微減程度で、大きな影響を受けていないようです。
今後について、予断は許さないが、優秀な人材の確保は引き続き力を入れる企業も多いようです。

有効求人倍率は下がっているのに、企業が採用に苦戦する理由

とは言え、有効求人倍率が下がっているというニュースは良くご覧になると思いますし、徳島では有効求人倍率は1倍を切っている状況です。

有効求人倍率は、ハローワークに登録している人や企業だけを対象とし、インターネットなどで仕事を見つける人を対象としていないのです。今やインターネットなどハローワーク以外での就職・転職活動を行う人材が多いため、ハローワークの調査が実際の現状との乖離を生んでいるようです。

私たちが担当する、徳島での就職を希望する人材の多くも、会社を離職する前にご登録をいただくので、こういった方々の数値も有効求人倍率には反映されていません。

徳島の直近での有効求人倍率は、昨年1.14倍と比較すると0.84倍と雇用環境の厳しさがうかがえますが、企業が採用したい人材が市場に多くいるかというと、そうではありません。「ハローワークで人材を募集したが、思ったような人材が来なかった」というケースはどの企業様もご経験されているのではないでしょうか。

有効求人倍率が低くとも、企業は「欲しい人材がいない」という状況が生まれているのです。
特に、コロナ禍において雇用環境の悪化やリストラなどがニュースになり、人材がより簡単に採用しやすい環境になっているようにお感じになるかもしれません。ただ、ニュースは目立つ部分のみを取り上げる傾向もあり、どの企業も欲しい人材を好きなように採用できる状況ではありません。採用を強化したい企業は、変わらず採用活動に力を入れることをお勧めします。

徳島での正社員の採用をご検討中の企業様は、ぜひ、ムツビエージェントまでご相談ください。

このコラムを
読んでいる人に
おすすめです