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コロナ禍において「転職希望者」「新卒学生」が企業選びに重視すること

コロナ禍において、転職希望者や新卒学生も「企業を選ぶ際に重視する項目」に変化が生まれています。コロナ以前の「働き方改革」によって働く環境への意識に変化が生まれましたが、「コロナ禍」において更に意識の改革が加速していると感じます。

しかし、多くの中小企業や地方の企業は「働き方改革」や「コロナ禍」に合わせたニューノーマルな働く環境づくりへの対応の難しさを感じているのではないでしょうか。

データを参照いただきながら、転職者と新卒学生の企業選びのポイントを把握し、自社に適した制度づくりや採用戦略の立案にお役立て頂きたいと思います。

コロナ禍において採用を行う上での必須条件になった項目とは?

新卒学生においては、企業を選ぶ際に特に注目するポイントとして、
「新型コロナから社員を守る施策を行っている(59.8%)」が1位となりました。

転職希望者においては、コロナ禍以降、重視する条件に、
「在宅勤務の可否(2位)」「フレックスタイムの有無や時差通勤の可否(3位)」が選ばれています。
こちらも具体的なコロナ対策として密を避けるための対応として、在宅勤務を導入しているのか、勤務時間の融通がきかせたいという希望が読み解けます。

弊社へ登録された人材の中でも、新型コロナウイルスへの対策が出来ていないことがきっかけに転職を考える方もいらっしゃいます。

企業を選ぶ際に、「社員の命や健康を守る」意識が企業にあるのか、またそのための対策を考える計画力・実行力があるのか、ということを見ているようです。新型コロナウイルスに対しての考え方や価値観は人や企業によって大きな差があり、その差が大きい程、「転職」や「離婚」へ進んでしまうのではないかと思います。

2020年7月頭には、東京女子医科大学病院(東京都新宿区)の看護師400人集団退職騒動があったように、対応を間違えると貴重な人材を失ってしまう懸念もあります。

採用においては、どのようなコロナ対策を行っているのかを明確に記載することで、転職希望者や新卒学生への応募意欲を高めることにつながると感じます。

終身雇用への期待はなくなり、「自身の成長」ができる企業を志望

新卒学生においては、企業を選ぶ際に特に注目するポイントとして、「自分が成長できる環境がある(40.5%)」が2位となりました。逆に、「平均勤続年数が長い(5.0%)」で17位となり、終身雇用制度への期待が低いことがうかがえます。

転職希望者においては、コロナ禍以降、重視する条件に、「自身の成長機会があるか」が4位に選ばれています。

終身雇用制度が崩壊し、世の中が大きく変化していく中、企業への過度な期待を持つよりも、自分自身を成長させたいという意欲がうかがえます。

「採用力を強化したい」と考える企業は、社員が成長を実感する仕組みがあるのかどうかを改めて見直すと良いのではないでしょうか。また、そうすることによって優秀な人材の定着率を高めることにもつながります。
求人募集を出す際は、人材が成長するためのカルチャーや仕組みや制度の紹介をすることがより重要になってくることが予想されます。

転職希望者は「企業の将来性」、新卒学生は「企業経営の安定」を求める

転職希望者と新卒学生の意識の差が生まれた項目です。

新卒学生においては、企業を選ぶ際に特に注目するポイントとして、「企業の経営が安定している(24.3%)」が6位となり、
「企業の成長性が見込める(15.7%)」が9位となり、企業の成長性よりも安定を求める傾向がやや高いことが見受けられます。

転職希望者においては、コロナ禍以降、重視する条件に、「企業や事業の将来性」が1位に選ばれています。
社会の厳しさや現実を知るからこそ、優良な成長性のある企業への転職を希望するのでしょう。

では、転職希望者は、企業の何を見て「成長性」を感じているのでしょうか。

IT関連企業は成長性を感じられやすい業界と思われるでしょう。一方で、衰退産業と思われがちな業界もあるでしょう。
では、自社の業界によっては成長性をアピールできないかというと、そうではないと思います。

衰退産業と評される業界は、古くから人々の生活になくてはならないサービス・商品を提供していている業界でもあります。
悪しき慣習があるのであれば、新たな取り組みや制度を導入することで、成長性を感じられる会社になるのではないかと思います。

まとめ

コロナ禍において失業者は増えていますが、いまだ新卒学生の採用難易度は高く、意識の高い中途人材を採用するには、新しい働き方についての制度設計や企業の成長性を打ち出すことが求められるようになっていると感じます。

※文中での説明に使用したデータ

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