人材の見極めはとても難しいですよね。
「この人はとても素晴らしい!」と思う方でも、入社後、思ったように力を発揮しないこともあります。逆に、そこまで高い期待ではなかった方が、意外にも力を発揮するということもあると思います。
なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか。
面接で適切に人材の力を見極める方法をお伝えしたいと思います。
リスクのある「自信に満ち溢れた魅力ある人材」
面接時には、期待がとても高かったのに、入社後は思ったように活躍しないという方は、「ダニングクルーガー効果」に陥っている人かもしれません。
ダニングクルーガー効果とは、能力の低い人が「実際の評価と自己評価を正しく認識できずに、誤った認識で自身を過大評価してしまう」ことです。自分自身への評価も高いので、適性検査も高評価となることも多いように感じます。
自信に満ち溢れているため、面接での表現力も素晴らしいものとなります。チームの力でやり遂げた、自分が陣頭指揮をとっていないような仕事でも、まるで自分自身がやってきたように表現することができます。「ダニングクルーガー効果」に陥っている人は、本人は嘘をついている気持ちは全くないので、確信に満ち溢れ、魅力的に映ります。
また、ダニングクルーガー効果の反対に、インポスター症候群もあります。
自分の能力で何かを達成して周囲から高く評価されても、自分自身を過小評価してしまう現象です。
自分自身を過小評価しているため、面接で評価されにくい傾向にあります。特に、謙虚な性格の方、技術的な業務を行っていた方などは自己PRが苦手だと感じます。
採用のミスマッチは、人材の自己評価によって生まれて、またその自己評価を企業がそのまま受け入れた結果として生まれる現象といってもよいかもしれません。
自己評価が高すぎる人材を採用してしまいやすいケース
採用する人材への過度な期待がある場合は特に注意が必要です。
素晴らしい人材を採用したいと思うため、アピールが上手な人をより魅力的に感じます。また逆に、当たり前のことしか言わない人材を凡庸で魅力がない人と捉えてしまうことがあるようです。
その他、今まで採用の経験がない職種、今まで採用したことがないような部長クラスのポジションや新規事業のポジションなどの採用もリスクが高まります。自分たちに知見がない分野の人材への面接は、今までの経験値が働きにくく、立派なことを言っている、自信に満ち溢れている人材に魅力を感じやすくなります。
そして、面接官がその募集ポジションへの理解が不足している場合も見極めが難しくなると思います。
例えば、
・技術職を採用するにあたって、技術の理解が不足している担当者が面接を行う
・経営層クラスの採用をするにあたって、経営への理解が不足している担当者が面接を行う
・現場を理解していない経営層が、現場クラスの人材の面接を行う
などは人材の見極めには十分な注意が必要です。
人材を見極めるために
では、どのようにすれば正確に見極めができるのでしょうか。
大切なことは2つ。自社の採用ポジションについて十分に理解すること。そして、人材の過去の経験を具体的かつ詳細に理解することです。
募集ポジションへの理解不足があると、情報を正しく判断できなくなる大きな原因です。
例えば、そのポジションの人材が具体的にどのような仕事をしているのかを把握する。離職が続くようであれば、どのような人材が活躍し、どのような人材が離職になっているのかを分析する。その仕事の難しさや、やりがいを理解する、などです。
そして、次に、人材への質問をより個別・具体的に行うことです。
特に、履歴書、職務経歴書をよく読み込み、具体的な質問を作成します。
定例の質問は事前の準備がしやすく、また曖昧な回答がしやすく、ダニングクルーガー効果に陥っている人には回答しやすい質問が多いように感じます。より、個々人の具体的なエピソードに踏み込んだ質問を用意することで、過去にあった具体的なエピソードでその人材の力を見極めることが大切です。
ダニングクルーガー効果に陥っている人は、曖昧な抽象的な回答は得意ですが、具体的な個別の回答は得意としていません。
私たちも紹介人材とは必ず面談を行いますが、職務経歴書に添って個別具体的な質問を行い、その人材の本質的な能力を理解するように努めています。
まとめ
10年近く前と比較すると、2022年の現在は、人材獲得がより難しくなってきていると感じます。
今までと同じ基準、面接の仕方では、必要な人材数の確保は難しくなってきていると感じる人事・経営者の方も多いのではないでしょうか。
ムツビエージェントでは、徳島県での正社員の紹介に加え、採用のノウハウを公開しながら、徳島の雇用を支える企業経営者、人事担当者の採用力向上の一助となりたいと考えています。