【コラム】なぜ今、大手企業も中小企業も採用が非常に難しく感じるのか?

労働人口の減少、東京オリンピックバブルなどの社会的背景により、求人倍率が高まり、採用がとても難しくなっています。
とは言え、「それにしても採用が難しすぎる」と感じるその理由を分析してみました。

バブル期を超える求人倍率

バブル期の有効求人倍率を超えたのが2017年4月。
経営者、人事担当者からも、「採用が非常に難しくなった」といわれるようになったのが、2017~2018年頃からですので、皆さんの体感値と実数に隔たりはありません。

バブル期の有効求人倍率のピークは、1990年7月の1.46倍。
2017年4月の有効求人倍率は1.48倍となり、43年ぶりにバブル期のピークを上回りました。
その後も求人倍率は伸び続け、2019年1月には求人倍率は1.63倍となりました。

今は、まさにバブル期を超える採用難の時代に突入しています。

とは言え、多くの方は今の採用難は「バブル期以上の厳しさである」という強い認識をお持ちでは無いように思います。

その理由の一つが、「バブル期に突入した」など、大きなトピックスがなかったからではないでしょうか。
また、2014年から求人倍率が徐々に高まってきたこともあり、「採用難時代」に突入したタイミングに気づきにくかったのではないかと思います。

また、政府が「女性活躍推進法」や「働き方改革」を推進する中で、人が採用できない問題は、女性の活躍や働き方の改革で解決できる問題へとすり替わっているようにも感じます。

そのため、労働力が不足する中で、長時間労働は是正すること、というかつてない難題に企業は直面するようになりました。男性ばかりだった職場での女性採用は難しく、女性活用による労働力不足の解消にはまだまだ時間がかかります。
加えて、ハラスメントも罰則規定がつくようになりました。

経営者や人事の方は、女性活躍や働き方改革、パワハラ是正などすべき事柄に目を奪われる中、そもそもの本質的な問題である「採用難時代に突入している」ことへの認識が後回しになった感があるのではないかと思います。

繰り返しになりますが、今は、バブル期を超える有効求人倍率となり、過去に例を見ない採用難時代に突入しています。

全国の有効求人倍率

※転職Hacksから引用

欲しい人材を思うように採用できていた20年間

バブル崩壊後~約20年間、有効求人倍率がおおよそ1倍以下の時代が続きました。
特に、求人倍率が0.8倍以下の時などであれば、採用活動をおこなうと、企業は思うような人材の採用が実現していました。

そして、この20年間という長い年月によって、企業が採用に対する考え方を形成し、固定化する十分な年月だったのではないかと思います。

『採用活動とは、欲しいと思う人材を思うように採用出来ることだ』と。

そして、一端を担ったのが人材会社です。安い賃金で働くアルバイト・パート社員、期間を限定して働く派遣社員、サービス残業を喜んでするタフな正社員・・など。人材会社は、企業のあらゆるニーズに応える人材を提供してきました。

そのため、企業はより厳選した採用を行うようになりました。適性検査や知能テストや面接などさまざまな選考を通して、人材にふるいをかけていました。圧迫面接が当たり前となり、威圧的な面接を行ったうえでも自社を熱望してくれる、かつ優秀な人材を採用することができていました。

1993年~2013年という20年間は、企業が採用における圧倒的に優位なポジションが続いていたのです。

しかし、その時代は既に終わりを迎えているのです。

今、ここでかつてない「採用難の時代」であることを認識し、いかにすれば人材が採用できるのか、ということに真正面から取り組む必要があると感じます。

特に、この20年間を経験した方々は意識を変える難しさがあるでしょう。しかし、勇気をもって現状を正しく認識することから、採用成功の道が見えてくるのではないかと思います。