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あなたは一人何役?得意な役割を演じて人生を好転させる ―【ライフ・キャリア・レインボー】

2019.10.25

人生ではいくつもの役割を演じなければなりませんが、自分がいくつの役割を演じているか認識しているでしょうか?この役割という視点は就業においても、仕事を充実させたり、転職先を選ぶ際に非常に重要になります。

1. いくつの役割があるのでしょうか?

そこで、自分がどのような役割を担っているのかを分析してみましょう。
役割の整理に役に立つのが、「ライフ・キャリア・レインボー」です。
「キャリア」は仕事人としての側面ですが、それは人生の一つの側面でしかありません。
より広い「ライフ」の視点も含めて役割を整理したものが「ライフ・キャリア・レインボー」です。
合計するとなんと9つあります!しかも、同時にいくつもの役割を演じているのです!

その9つとは、
子ども、学生、余暇人、市民、職業人、配偶者、家庭人、親、年金生活者です。

詳しくは後述しますが、その役割をうまく果たすことのメリットを紹介します。

2. 人生が好転するポジティブ・スピルオーバーとは?

特に、社会人である皆様は、思った以上に多くの役割を演じることになります。
それぞれの役割は、相互に深く影響しあっており、良い作用も、悪い作用も生み出します。

「スピルオーバー」とはあふれ出す、こぼれるという意味ですが、充実していれば「ポジティブ・スピルオーバー」、つまりよい影響があふれ出します。
しかも、それは周囲の方の人生をも豊かにします。

例えば、「家庭人」として家族に貢献することで心の安らぎが生まれリフレッシュできる。その結果、家族からの仕事の支援も受けられることで、仕事にも精が出て「職業人」としてやりがいを持つことができます。また、職業人としても家庭人としても認められているからこそ、家族からは快く休日を送り出され、「余暇人」として趣味に使う時間も持てるようになる・・という好循環が生まれます。

このように、全ての役割が好循環に向かう「ポジティブ・スピルオーバー」となることで、職場の方にも喜ばれ、家庭では配偶者や子どもたちから愛され、周囲の方との良い関係を築けます。当然、自分自身も幸せを感じ、人生が上手くいっていると感じるでしょう。

反対に、一つでも手を抜き、評価が下がることで、悪い相互作用が生じるかもしれません。例えば、仕事の手を抜いていると会社の評価が下がることで、家庭での立場も悪くなり、良い食事や身の回りのサポートが得にくくなることで、更に会社での評価が下がる。そして、金銭的な余力や家庭からの承認がないため、趣味に行く余裕もなくなりリフレッシュができない・・という悪循環が生まれてしまうかもしれません。

一方、「職業人」として家庭を顧みないほど仕事を頑張り、高い評価を得て給与を得たとしても、「家庭人」としての役割を果たさないことで、現役時代は良くとも、年金生活者となった時に、配偶者との良い関係が築けず、将来的には不幸な生活を送ることもあるかもしれません。

「ネガティブ・スピルオーバー」を起こさないために、主軸となる役割を懸命に果たしつつも、それ以外の役割も大切にしなければなりません。

一つでもうまくいっていないと、ネガティブがあふれてしまします。反対に一つ一つの役割を大切にすることで、きっと良い影響があふれ出し、周囲の方の人生をも豊かにできると思います。

3. 具体的な役割について

それでは9つの役割をご紹介します。
改めて、自分自身の役割を意識すること、長い人生でどのように役割が増えていくのか、変わっていくのかを意識することで、より良い人生を送るきっかけとなると思います。

  1. 子ども
    親に庇護される役割です。人は生まれたときから「子ども」という役割を演じることになります。親が亡くなるまで「子ども」という役割は続きますので、成人したあとも演じ続けることになります。

    ただし、長じると親を庇護する役割に逆転していくことが多いでしょう。例えば、介護の必要が生じた時には、「子ども」の役割を果たすために仕事をセーブする必要が生じるかもしれません。家と土地を相続した場合は、それを継ぐためにUターン転職を検討する必要が生じるかもしれません。
  2. 学生
    学ぶ役割です。子どもの次に演じることになります。人によりますがほとんどの場合は10年以上の長期間にわたります。社会人になっても、学生に戻ったり、働きながら学ぶリカレント学習が今後は増えていくでしょう。

    技術の進歩が速くなっている現代では、自分のスキルがどんどん時代遅れになっていきます。その一方で、人生が長くなり、働く期間が延びています。進歩に取り残されないために、常に知識をアプデートしてくことは必須になると思われます。
  3. 余暇人
    趣味を楽しむ役割です。スポーツ、映画、音楽、ゲームなど、学生も習い事や部活動など。仕事を引退した「余暇人」もいますが、多くの場合は、仕事と両立させなければならないと思います。

    両立出来れば、人生をより豊かにし、取り組み方によっては仕事へのよいフィードバックもある重要な活動だと思います。
  4. 市民
    社会を支え、貢献する役割です。ボランティアや地域の清掃活動ですが、納税なども含まれると思います。積極参加か消極参加かは人によりますが、社会人のだれもが無関係ではいられません。
  5. 職業人
    働く役割です。昇給やスキルアップ、やりがいや就業観の変化など多様なニュアンスが含まれます。自分の年齢や社会の変化とともに、仕事の内容は変わっていくと思いますし、変えていかなければならないものだとも思います。

    また、働く期間が60歳定年から伸び、今後は80歳まで何らかの形で労働する時代になると思います。そのためのスキル習得や就業観の変化も必要です。
  6. 配偶者
    妻に対して夫である、夫に対して妻であるという役割です。この役割を演じるかどうかは、自分の意思で決めることができ、決めた後で解消することもできます。事実婚やLGBTへの理解が深まれば、さらに柔軟な形が生まれるかもしれません。

    相手がいることですので、一人で決められることではありません。よく話し合って夫婦(パートナー関係)の在り方を決めることが大切だと思います。仕事への制約、支援・協力の両方が生じると思います。
  7. 家庭人
    家事を行い、家庭を運営するという役割です。結婚を選ばなかった人でも、家事はありますし、実家暮らしの方や共同生活をしている方も家事は必要です。ほとんどすべての人に家庭人としての役割はあると思います。

    一昔前までは、男性は「職業人」としての生き方が強調され、過酷な労働で過労死につながることもありました。しかし、一方で「家庭人」として家事を放棄することも許されていました。反対に、女性は「家庭人」として生きることを求められたため、仕事継続を諦めて専業主婦選ぶことが通常でした。キャリアが断絶するうえ、生活費を夫に依存するため、女性蔑視や離婚した場合に生活が成り立たないという潜在的な貧困のリスクも抱えていました。

    貧困のリスクを避けた平等な夫婦関係のためにも、社会参加への協力とそのための家事分担は重要な視点だと思います。近年は、「カジダン」や「イクメン」という言葉も生まれ、家事に参加するロールモデル(お手本)も増え、若い世代を中心に少しずつ転換を図っているように思います。

  8. 子どもを持った場合は、親としての役割が生まれます。育児は喜びも負担も大きいと思います。
    自分と子どものために、適切なあり方をしっかりと考えて模索していく必要があると思います。
  9. 年金生活者
    仕事を引退した後の生活です。老後も2000万円の貯蓄が必要という発表が話題になりましたが、お金だけではありません。良好な夫婦関係、友人関係、趣味、健康がなければ豊かな老後は送れないかもしれません。また、人生100年時代ですので、退職後の仕事を今から意識しておく必要があると思います。

いかがでしたか?
改めて自分自身の役割を意識してみて、1つひとつの役割を大切にしてください。

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